日本でも起きているオーバーツーリズム・・一体何のこと?
観光における世界的な問題として、近ごろよく言われている「オーバーツーリズム」とは、キャパシティ以上のお客さんが来てしまうことを指します。
各観光地で来客人数が決まっているわけではありませんが、そのエリアや施設の規模などを考えると、だいたいこのくらいは受け入れできる・・・という予測数がありますが、それを超えた観光客が押し寄せる状態をオーバーツーリズムというのです。
たくさんのお客さんが来てくれるのだからいいじゃないかという声が聞こえてきそうですが、観光地ではキャパシティ以上のお客さんが押し寄せてしまうことで色々な問題が起きています。
オーバーツーリズムで起こる問題は?
大勢の観光客がくれば、その分トイレが必要となりますが、それが足らないことで、お土産や商品など購入しないのに店舗やコンビニに行列ができたり、観光施設のトイレが故障してしまったり・・といった問題が起こります。また大勢の人が訪れることでエリアによっては騒音被害も深刻です。
ゴミを放置されることもあり環境問題にも発展し、近隣住民と観光客のトラブルなども起きています。
日本ではこうしたオーバーツーリズムで起こる様々な問題について観光公害といった言葉も出ているくらいです。
海外を見てみるとさらに反観光デモが行われた地域もあり、問題は深刻化しています。
オーバーツーリズムは訪れる側にも影響する
地域住民にとってもオーバーツーリズムは頭の痛い問題ですが、訪れる側である観光客にも影響が出ています。
観光に行くときには皆さん、のんびりしたい、くつろぎたい、おいしいものを食べたいと、色々な楽しみをもっているでしょう。
それなのに訪れてみたら、どこに行っても人でいっぱい、道路にはゴミがたくさんあって治安が悪い印象だし、トイレも行列・・・疲れに行ったみたい・・なんていう意見も聞きます。
一度は訪れてみたい観光地といわれていたのに、有名になってしまったことで「二度と行きたくない観光地」になってしまっては困ります。
のんびり過ごそうと思って観光地に行ったお客さんも、逆にがっかりして帰ってくるのでは二度と行きたくないといわれても仕方のないことです。
観光がメインとなっている地域では、オーバーツーリズムになったがためにだんだんと観光客の足が遠のくのでは意味がありません。
オーバーツーリズムで終わらせない!持続できる観光地への取り組み
オーバーツーリズムをうまく解消し、なんとか持続可能な観光地として生き残れないか、そんな取り組みを行ってところが多くなっています。
例えばフィリピンのボラカイ島は、一時的に島自体閉鎖し観光客を制限しましたし、スペインのマヨルカ島も過度に観光客が増えないように民泊の禁止など行い話題となりました。
しかし観光客をシャットアウトすればその分経済は下降していくのですから、取り組み方も地域に沿ったことを考えなければなりません。
日本では、荷物を宅配で宿泊施設や空港へ運ぶことで手ぶら観光を推奨し、観光客の移動範囲を広げることで分散化を狙った取り組みが行われています。
世界的観光地として有名な京都でも、朝観光や夏の青もみじ観光など、時間や季節の分散化を狙った取り組みを行っています。
こうしたオーバーツーリズムへの取り組みを各エリアで考えることが重要でしょう。