離島で病気やけがをしたら?病院ってあるの?
沖縄県は160もの島々があり、海域まで含めると実に東西で1000キロ、南北で400キロという総面積を誇ります。
南国の島、リゾート地というイメージがありますし、最近は離島の暮らしに憧れて沖縄に移り住む人も少なくありません。
こうした離島の生活は都会に暮らしている人からすれば憧れですが、病気やけがをしたらどうするのだろう?医者は?大きい病院はあるの?など、医療関係が気になります。
沖縄の有人離島は39ありますが、ほぼ、人口1,000人未満の島で、病院は遠隔孤立型となる離島診療所です。
離島診療所には総合診療ができる医師がいる
沖縄は温暖で過ごしやすい地域ですが、台風の通り道となるときには航空機、船も欠航となります。
離島でなければ、例えば外科なら外科の先生がいる病院へ運ぶなどして治療してもらえますが、離島の診療所にすべての科の先生がそろっているわけではありません。
本州の診療施設も個人病院やクリニックなどは、外科、内科、小児科など分かれているところもありますが、総合病院なら複数の科の先生がいます。
離島の診療所では複数の先生を置くことができないので、総合診療ができる医師がいるのです。
沖縄 離島前研修の「多科ローテーション」
沖縄は広い海域にたくさんの小規模離島が点在するという特殊なエリアなので、ある程度のエリアを1人で診療できる「総合診療医」が必要です。
そこで沖縄では、救急を主軸とした多科ローテーションによる離島前研修を行い、全科へ対応できる医師への教育を行っています。
沖縄の離島で発生する病気、けがの8割が一次医療(通常みられる病気・外傷の治療、また健康管理など)のため、ほぼ、島の診療所で対応できています。
高齢の方が日々安心して暮らせる環境が整っているほか、仮に入院、手術が必要な疾患や大きな怪我など緊急性が高い場合は、ヘリコプターなどを利用し高次病院に搬送し、症状が安定していれば船など定期便で専門医に紹介するというシステムです。
こうしたシステムができていれば、何か起きた時でもスムーズに医療を受けられます。
全離島から沖縄県消防指令センターへ直結!
沖縄の離島での医療体制について、島民の方々のことをよく考えたシステムだと思いますが、それにプラスして消防との連携も整っています。
離島では消防署がないところもありますが、その場合、急患が発生すると役場に連絡がいき、役場から医師へという形でした。
医師が診察をして緊急と判断すると、急患空輸システムを発動していたのです。
しかし現在では、全離島から119番をかければ沖縄県消防指令センターに直結しています。
救命救急士などが口頭で指導できるほか、診療所の医師と消防指令が連携し、よりスムーズでスピーディな医療体制が整ったのです。
こうした沖縄での取組は、僻地での医療システムの見本として今、注目されています。